調査概要
- 調査対象大学サイト
- 診断ツールAllyCheck
- 診断エンジンaxe-core
- 診断対象トップページ
- 診断日2026年3月
- スコア算出減点方式(100点満点)
日本の大学サイトでは、ウェブアクセシビリティ対応がどの程度進んでいるのでしょうか。 本記事では、国内の国公立及び大規模私立の大学サイトを対象にAllyCheckによるアクセシビリティ診断を実施し、スコア上位および下位の状況・よく見られる問題・全体傾向を整理しました。 アクセシビリティ改善の参考としてご覧ください。
この調査の元データ(全207サイトの詳細スコア)はAllyCheckのデータBOXにまとめています。
→ データBOXで確認AllyCheck Researchはウェブアクセシビリティに関する調査データを公開するプロジェクトです。
この調査の元データ(全207サイトの詳細スコア・検出問題一覧)はAllyCheckダッシュボードの「データBOX」でCSV形式でダウンロードできます。Freeプラン以上のユーザーが取得できます。
→ データBOXを見る比較可能な結果を得るため、以下の環境で診断を行いました。
アクセシビリティ問題の重要度に応じて減点する方式で100点満点スコアを算出しています。
| 問題レベル | 減点 |
|---|---|
| 重大 | −10 |
| 深刻 | −5 |
| 中程度 | −2 |
| 軽微 | −1 |
今回の調査では80点以上のサイトは35%にとどまりました。
大学サイト全体でスコアにばらつきが見られます。
| 対象 | スコア | 重大 | 深刻 | 中程度 | 軽微 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 国際教養大学 | 100 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| 2 | 和歌山県立医科大学 | 98 | 0 | 0 | 1 | 0 |
| 3 | 北見工業大学 | 97 | 0 | 0 | 1 | 1 |
| 4 | 長岡技術科学大学 | 97 | 0 | 0 | 1 | 1 |
| 5 | 福山市立大学 | 97 | 0 | 0 | 1 | 1 |
| 6 | 東北大学 | 95 | 0 | 0 | 2 | 1 |
| 7 | 金沢美術工芸大学 | 94 | 0 | 0 | 3 | 0 |
| 8 | 静岡文化芸術大学 | 94 | 0 | 0 | 3 | 0 |
| 9 | 専修大学 | 94 | 0 | 0 | 3 | 0 |
| 10 | 岐阜大学 | 93 | 0 | 1 | 1 | 0 |
自分のサイトのアクセシビリティスコアを確認してみましょう。
AllyCheckで無料診断本記事では下位サイト名の公開を控えています。スコアの分布と問題傾向を整理しています。
| 対象 | スコア | 重大 | 深刻 | 中程度 | 軽微 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 198 | — | 35 | 4 | 4 | 2 | 1 |
| 199 | — | 35 | 4 | 4 | 2 | 1 |
| 200 | — | 34 | 3 | 6 | 2 | 2 |
| 201 | — | 31 | 4 | 4 | 4 | 1 |
| 202 | — | 30 | 4 | 5 | 2 | 1 |
| 203 | — | 30 | 4 | 5 | 2 | 1 |
| 204 | — | 24 | 5 | 4 | 2 | 2 |
| 205 | — | 23 | 4 | 6 | 3 | 1 |
| 206 | — | 23 | 4 | 6 | 3 | 1 |
| 207 | — | 4 | 6 | 6 | 2 | 2 |
調査では以下の問題が多く見られました。
| 問題 | 説明 | 影響 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|---|---|
| コントラスト比不足 | 色のコントラスト比が不十分です(4.5:1以上必要) | 深刻 | 141 | 68% |
| ランドマーク構造不足 | すべてのコンテンツはランドマーク内に配置してください | 中程度 | 135 | 65% |
| リンクのテキスト不足 | リンクには識別可能なテキストが必要です | 深刻 | 131 | 63% |
| ランドマーク名の重複 | ランドマークは一意の名前を持つ必要があります | 中程度 | 85 | 41% |
| mainランドマークの欠如 | ページにはmain ランドマークが1つ必要です | 中程度 | 76 | 37% |
| 画像の代替テキスト不足 | 画像には代替テキスト(alt属性)が必要です | 重大 | 65 | 31% |
| リスト構造の不正 | リストは正しく構造化してください | 深刻 | 56 | 27% |
| 代替テキストの重複 | 画像の代替テキストが周囲のテキストと重複しています | 軽微 | 51 | 25% |
| h1見出しの欠如 | ページにはh1見出しが必要です | 中程度 | 45 | 22% |
| 不正なrole指定 | 許可されていないroleが使用されています | 軽微 | 43 | 21% |
<p style="color: #aaa; background: #fff;">お知らせテキスト</p>
<p style="color: #595959; background: #fff;">お知らせテキスト</p>
<div>
<div>ヘッダー</div>
<div>メインコンテンツ</div>
<div>フッター</div>
</div>
<header>ヘッダー</header>
<nav>ナビゲーション</nav>
<main>メインコンテンツ</main>
<footer>フッター</footer>
今回の調査結果から、教育・研究機関としての情報公開を担う大学ウェブサイトの現状と、今後の改善に向けた重要なトピックが見えてきました。
大学の公式サイトは、受験生・在学生・研究者・地域住民など対象が幅広く、ページ内の情報密度が非常に高くなる傾向にあります。今回の調査データでも、それがアクセシビリティ上の課題として顕著に現れています。
特に「中程度」の影響として多く検出されたのが、リージョン(Region)による情報の包含とランドマークの適切な使用に関する不備です。
main, navなど)でマークアップされていないケースが見られました。もう一つ目立った課題は、h1見出しの欠如や見出しレベルの不整合です。
<h1> が存在しない、あるいは視覚的なデザインを優先して見出しの順番(h1→h2→h3)が前後しているケースが散見されました。深刻な影響を与える問題として最も多かったのは、テキストのカラーコントラスト不足です。
今回の調査でスコア100点を獲得した大学がある一方で、50点台を下回るサイトも存在し、対応状況には大きな開きがあることが分かりました。
大学は多様なバックグラウンドを持つ人々が情報を得る場所です。「デザインの美しさ」と「情報の伝わりやすさ(アクセシビリティ)」は対立するものではありません。特に近年のデジタルトランスフォーメーション(DX)の文脈において、ウェブアクセシビリティの確保は「誰一人取り残さない教育環境」を構築するための必須条件と言えるでしょう。
自動診断ツールで検出されたこれらの課題は、マークアップの見直しやデザインガイドラインの微修正で改善可能なものが多く含まれています。今回の調査結果が、各大学のウェブ担当者様にとって、より「開かれた大学サイト」を目指す一助となれば幸いです。
今回の調査の元データ(全サイトのスコア・検出問題一覧)はAllyCheckダッシュボードの「データBOX」に掲載しており、CSV形式でダウンロードできます。
アクセシビリティの状況をより詳しく確認したい場合は、Freeプラン以上のユーザーとしてログインすると取得できます。
→ AllyCheck ダッシュボードへ本調査はウェブアクセシビリティの現状把握を目的としたものであり、特定の企業やウェブサイトの評価、ランキング、批判等を目的とするものではありません。 記事内容および調査結果の利用により生じたいかなる損害についても、AllyCheck は責任を負いません。