AllyCheck Research

2026年 全国都道府県公式サイト アクセシビリティ実態調査
— 平均74.9点、約6割が80点以上も地域間のばらつきが見える結果に

日本の都道府県サイトでは、ウェブアクセシビリティ対応がどの程度進んでいるのでしょうか。 本記事では、全国47都道府県公式サイトを対象にAllyCheckによるアクセシビリティ診断を実施し、スコア上位および下位の状況・よく見られる問題・全体傾向を整理しました。 アクセシビリティ改善の参考としてご覧ください。

この調査の元データ(全47サイトの詳細スコア)はAllyCheckのデータBOXにまとめています。

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調査対象: 47サイト 平均スコア: 74.9 最高: 100 最低: 32

AllyCheck Researchはウェブアクセシビリティに関する調査データを公開するプロジェクトです。

この調査の元データ(全47サイトの詳細スコア・検出問題一覧)はAllyCheckダッシュボードの「データBOX」でCSV形式でダウンロードできます。Freeプラン以上のユーザーが取得できます。

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調査概要

  • 調査対象全国47都道府県
  • 診断ツールAllyCheck
  • 診断エンジンaxe-core
  • 診断対象トップページ
  • 診断日2026年3月
  • スコア算出減点方式(100点満点)

診断環境

比較可能な結果を得るため、以下の環境で診断を行いました。

  • BrowserChromium
  • Viewport1366 × 900
  • Localeja-JP
  • UserAgentChrome Desktop
  • JavaScript有効
  • 診断タイミングDOMContentLoaded + 1500ms
※JavaScriptによる遅延読み込みの影響により、待機時間を変更すると診断結果が変わる場合があります。

スコア算出方法

アクセシビリティ問題の重要度に応じて減点する方式で100点満点スコアを算出しています。

問題レベル減点
重大−10
深刻−5
中程度−2
軽微−1
※本スコアはアクセシビリティ状態を比較するための簡易指標です。WCAG適合を直接示すものではありません。

調査結果サマリー

今回の調査では約6割のサイトが80点以上でした。

全体統計

  • 平均スコア74.9
  • 中央値83
  • 最高スコア100
  • 最低スコア32
  • 調査対象47サイト

アクセシビリティスコア分布

90–100
10
10
80–89
18
18
70–79
4
4
60–69
4
4
50–59
2
2
40–49
6
6
30–39
3
3
80点以上 28サイト 50〜79点 10サイト 49点以下 9サイト

多くの都道府県サイトが80点以上のスコアとなりました。一方で40点台以下のサイトも9件あり、アクセシビリティ対応の二極化傾向が見られます。

アクセシビリティスコア上位の状況

対象スコア重大深刻中程度軽微
1秋田県1000000
2栃木県970011
3島根県970011
4茨城県950021
5山梨県940022
6大阪府940022
7和歌山県930031
8三重県910120
9滋賀県910120
10沖縄県910104

自分のサイトのアクセシビリティスコアを確認してみましょう。

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下位の状況

本記事では下位サイト名の公開を控えています。スコアの分布と問題傾向を整理しています。

対象スコア重大深刻中程度軽微
38503321
39473411
40473411
41463412
42463420
43453421
44453421
45394322
46393522
47323711

よく見られた問題

調査では以下の問題が多く見られました。

問題説明影響件数割合
ランドマーク構造不足すべてのコンテンツはランドマーク内に配置してください中程度4085%
mainランドマークの欠如ページにはmain ランドマークが1つ必要です中程度2962%
ズーム倍率の制限ユーザーが500%までズームできるようにしてください軽微2043%
ARIA必須子要素の不足必要な子要素が不足しています重大2043%
インタラクティブ要素の入れ子インタラクティブ要素を入れ子にしてはいけません深刻1634%
リスト構造の不正リストは正しく構造化してください深刻1532%
フォームの視覚的ラベル不足フォーム要素には視覚的に見えるラベルが必要です(title属性やaria-describedbyだけでは不十分です)深刻1328%
ARIA入力フィールドの名前不足ARIA入力フィールドにはアクセシブルな名前が必要です深刻1328%
aria-hidden内のフォーカスaria-hidden要素にフォーカス可能な要素が含まれています深刻1328%
presentation roleの競合presentation roleとの競合があります軽微1021%

問題の具体例

フォームラベル不足

なぜ重要か — フォームラベルがない場合、スクリーンリーダー利用者は入力内容を理解できません。視覚的にも入力欄の目的が不明確になります。
HTML
<input type="text">

改善例

HTML
<label for="name">氏名</label>
<input id="name" type="text">

ランドマーク構造不足

なぜ重要か — ランドマーク要素(header, nav, main, footer)がないと、スクリーンリーダー利用者はページ構造を把握できず、目的のコンテンツへ効率的に移動できません。
HTML
<div>
  <div>ヘッダー</div>
  <div>メインコンテンツ</div>
  <div>フッター</div>
</div>

改善例

HTML
<header>ヘッダー</header>
<nav>ナビゲーション</nav>
<main>メインコンテンツ</main>
<footer>フッター</footer>

考察

今回の調査から、基本的な問題は少ない一方でARIA構造に関する問題が多いという傾向が見られました。

以下に詳細を整理します。

1. 基本的な問題は少ない傾向

画像代替テキストやコントラストなどの基本問題は比較的少ない傾向でした。

2. ARIA関連の問題が多め

近年のCMSやJSフレームワークの影響と考えられる、ARIA属性の不整合やインタラクティブ要素の構造問題が見られます。

3. トップページでも改善余地あり

トップページのみの診断でも複数の問題が確認されるサイトもあり、改善余地が残っていることが分かりました。

4. 診断タイミングと結果の関係

今回の調査では DOMContentLoaded + 1500ms の条件で診断を実行しています。多くのサイトではこの時点で主要コンテンツが描画されていますが、JavaScriptによる遅延処理により以下のようなUIが後からDOMに追加されるケースもあります。

  • カルーセル
  • モーダル
  • 広告
  • 埋め込み動画

そのため待機時間を延長した場合、以下の項目が変化する可能性があります。

  • 検出される問題数
  • ARIA属性関連の問題
  • インタラクティブ要素の構造

一方で、以下のような基本的な構造問題は待機時間の影響を受けにくく、サイトのアクセシビリティ状態を示す重要な指標として参考になります。

  • lang属性
  • フォームラベル
  • iframe title
  • ランドマーク構造

自分のサイトを診断する

自分のウェブサイトのアクセシビリティを簡単に確認することができます。
URLの入力により診断できます。

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注意事項・免責事項
本調査は自動診断ツールの技術的特性を踏まえた参考情報であり、ウェブアクセシビリティの最終的な適合判定を示すものではありません。 診断は、公開されているウェブページのHTML構造を対象とした自動解析に基づいており、専門家によるアクセシビリティ監査や実機検証とは異なる結果となる場合があります。
また、診断は特定の時点で取得されたウェブページを対象としており、その後のサイト構造変更、コンテンツ更新、URL変更、取得タイミングの差異などにより、実際の状況と異なる場合があります。 ウェブサイトによっては以下の影響により、待機時間の設定によって診断結果が変化する場合があります。
  • JavaScriptによる遅延読み込み
  • スライダーUI
  • 広告
  • 外部埋め込みコンテンツ

本調査はウェブアクセシビリティの現状把握を目的としたものであり、特定の企業やウェブサイトの評価、ランキング、批判等を目的とするものではありません。 記事内容および調査結果の利用により生じたいかなる損害についても、AllyCheck は責任を負いません。