調査概要
- 調査対象日経225構成企業225社の公式サイト
- 診断ツールAllyCheck
- 診断エンジンaxe-core
- 診断対象トップページ
- 診断日2026年3月
- 診断実施215サイト(10サイトは診断不可)
- スコア算出減点方式(100点満点)
日本の企業サイトでは、ウェブアクセシビリティ対応がどの程度進んでいるのでしょうか。 本記事では、日経225構成企業225社の公式サイトを対象にAllyCheckによるアクセシビリティ診断を実施し、スコア上位および下位の状況・よく見られる問題・全体傾向を整理しました。 アクセシビリティ改善の参考としてご覧ください。
この調査の元データ(全225社の詳細スコア)はAllyCheckのデータBOXにまとめています。
→ データBOXで確認AllyCheck Researchはウェブアクセシビリティに関する調査データを公開するプロジェクトです。
この調査の元データ(全225社の詳細スコア・検出問題一覧)はAllyCheckダッシュボードの「データBOX」でCSV形式でダウンロードできます。Freeプラン以上のユーザーが取得できます。
→ データBOXを見る比較可能な結果を得るため、以下の環境で診断を行いました。
アクセシビリティ問題の重要度に応じて減点する方式で100点満点スコアを算出しています。
| 問題レベル | 減点 |
|---|---|
| 重大 | −10 |
| 深刻 | −5 |
| 中程度 | −2 |
| 軽微 | −1 |
今回の調査では約6割のサイトが80点以上でした。
| 企業名 | スコア | 重大 | 深刻 | 中程度 | 軽微 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 中外製薬 | 100 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| 1 | 富士電機 | 100 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| 1 | レーザーテック | 100 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| 1 | コニカミノルタ | 100 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| 1 | ニコン | 100 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| 1 | 東急 | 100 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| 7 | 企業7 | 99 | 0 | 0 | 0 | 1 |
| 8 | 企業8 | 98 | 0 | 0 | 1 | 0 |
| 9 | 企業9 | 98 | 0 | 0 | 1 | 0 |
| 10 | 企業10 | 98 | 0 | 0 | 1 | 0 |
自分のサイトのアクセシビリティスコアを確認してみましょう。
AllyCheckで無料診断本記事では下位サイト名の公開を控えています。スコアの分布と問題傾向を整理しています。
| 企業名 | スコア | 重大 | 深刻 | 中程度 | 軽微 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 206 | — | 48 | 3 | 3 | 3 | 1 |
| 207 | — | 48 | 3 | 4 | 0 | 2 |
| 208 | — | 45 | 3 | 4 | 2 | 1 |
| 209 | — | 43 | 3 | 5 | 0 | 2 |
| 210 | — | 43 | 4 | 2 | 3 | 1 |
| 211 | — | 27 | 4 | 5 | 3 | 2 |
| 212 | — | 24 | 3 | 8 | 2 | 2 |
| 213 | — | 24 | 3 | 8 | 2 | 2 |
| 214 | — | 20 | 5 | 4 | 4 | 2 |
| 215 | — | 19 | 4 | 6 | 4 | 3 |
調査では以下の問題が多く見られました。
| 問題 | 説明 | 影響 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|---|---|
| ランドマーク構造不足 | すべてのコンテンツはランドマーク内に配置してください | 中程度 | 114 | 53% |
| コントラスト比不足 | 色のコントラスト比が不十分です(4.5:1以上必要) | 深刻 | 100 | 47% |
| リンクのテキスト不足 | リンクには識別可能なテキストが必要です | 深刻 | 99 | 46% |
| h1見出しの欠如 | ページにはh1見出しが必要です | 中程度 | 60 | 28% |
| ランドマーク名の重複 | ランドマークは一意の名前を持つ必要があります | 中程度 | 60 | 28% |
| mainランドマークの欠如 | ページにはmain ランドマークが1つ必要です | 中程度 | 50 | 23% |
| リスト構造の不正 | リストは正しく構造化してください | 深刻 | 38 | 18% |
| 代替テキストの重複 | 画像の代替テキストが周囲のテキストと重複しています | 軽微 | 36 | 17% |
| 不正なrole指定 | 許可されていないroleが使用されています | 軽微 | 31 | 14% |
| 見出しレベルの順序不正 | 見出しレベルは順番に使用してください | 中程度 | 31 | 14% |
<div>
<div>ヘッダー</div>
<div>メインコンテンツ</div>
<div>フッター</div>
</div>
<header>ヘッダー</header>
<nav>ナビゲーション</nav>
<main>メインコンテンツ</main>
<footer>フッター</footer>
<!-- コントラスト比 2.3:1 — 基準未達 -->
<p style="color: #aaaaaa; background: #ffffff;">
お知らせ:サイトメンテナンスのお知らせ
</p>
<!-- コントラスト比 7.0:1 — 基準達成 -->
<p style="color: #595959; background: #ffffff;">
お知らせ:サイトメンテナンスのお知らせ
</p>
今回の調査結果から、日経225構成企業間でのアクセシビリティ対応には顕著な格差があることが浮き彫りになりました。以下に詳細を整理します。
スコア100点を達成している企業が複数存在する一方で、60点台を下回る企業も散見されます。
満点に近いスコアを獲得している企業は、HTMLのセマンティックなマークアップやARIA属性の適切な利用など、技術的な要件を高いレベルで充足しています。これは、企業のアクセシビリティに対する意識の高さと、継続的な運用の成果と言えます。
調査データ全体を通じて、以下の「中程度」の影響を与える問題が数多く検出されました。
mainやnavigationといったランドマークロールが適切に設定されていない、あるいは重複して存在しているケースが見られました。スクリーンリーダー利用者がページ全体の構造を把握し、特定のセクションへ素早く移動することが困難になっています。「深刻」な問題として最も頻繁に検出されたのは、テキストのカラーコントラスト不足です。
「重大」および「深刻」な問題として、フォームやナビゲーションにおける以下の不備が目立ちました。
aria-hidden="true"が指定された要素の中にフォーカス可能な子要素が含まれているケースがあり、キーボード操作を行うユーザーにとって予期せぬ動作を招く原因となっています。2024年の障害者差別解消法改正によりウェブアクセシビリティ対応が民間事業者にも求められるようになり、2026年現在、日本を代表する企業においてアクセシビリティへの取り組みは「義務」から「品質」の段階へと移行しつつあります。しかし、今回の調査で明らかになった通り、基本的なHTMLの構造化やコントラストの確保といった基本的なアクセシビリティ要件でさえ、完全には満たされていないのが現状です。
今後は、単にツールによるチェックを通すだけでなく、設計段階からアクセシビリティを考慮する「インクルーシブデザイン」の視点と、定期的な自動・手動診断を組み合わせた継続的な改善サイクルの構築が、すべての企業に求められています。
今回の調査の元データ(全サイトのスコア・検出問題一覧)はAllyCheckダッシュボードの「データBOX」に掲載しており、CSV形式でダウンロードできます。
アクセシビリティの状況をより詳しく確認したい場合は、Freeプラン以上のユーザーとしてログインすると取得できます。
→ AllyCheck ダッシュボードへ本調査はウェブアクセシビリティの現状把握を目的としたものであり、特定の企業やウェブサイトの評価、ランキング、批判等を目的とするものではありません。 記事内容および調査結果の利用により生じたいかなる損害についても、AllyCheck は責任を負いません。